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第3回 人生感を変えた旅。神山健治監督とのバルセロナ「サロン・デル・マンガ」
スペイン・バルセロナの「サロン・デル・マンガ」にゲストとして招かれるようになって3年がたった。2010年10月末開催の本年度動員数は65,000人。たんにゲストでなく、企画にも関わっているので、今年は主催者から“ゲスタッフ”という称号をもらった。ようは、ゲストでスタッフということだ。
「攻殻機動隊S.A.C.」や「東のエデン」などのアニメを手がけてきた、神山健治監督と一緒に昨年は臨んだ。今週と来週の連載は、サイン会やトークイベントなど、たくさんの神山監督ファンと過ごした4日間を終え、帰りの飛行機の中でのインタビューをもとにお送りする。
「作り手の知らないところで、海外のみなさんのアニメに対する熱量が止まらないことがよくわかりました。これほどまでにスペインでアニメが愛されていることに驚きましたし、人生観を変えるような旅だったと思います」
「攻殻機動隊S.A.C.」や「東のエデン」などのアニメを手がけてきた、神山健治監督と一緒に昨年は臨んだ。今週と来週の連載は、サイン会やトークイベントなど、たくさんの神山監督ファンと過ごした4日間を終え、帰りの飛行機の中でのインタビューをもとにお送りする。
「作り手の知らないところで、海外のみなさんのアニメに対する熱量が止まらないことがよくわかりました。これほどまでにスペインでアニメが愛されていることに驚きましたし、人生観を変えるような旅だったと思います」

▲神山健治監督のサイン会。ファンが長蛇の列を作った。
サイン会でも関係者との打ち合わせでもつねにクリエイターへの敬意を感じたという。
「『東のエデン』というタイトルをファンもディストリビューターも日本語で言ってくれたことはその表れでしょう」
「アニメーションは子どもが観るもの」という世界の常識にとらわれず、映像としての可能性を追い続けたアニメ業界のクリエイターたちは、アメリカの映画産業と異なり、世界市場を明確に意識した作品作りをしてきたわけではない。だが、彼らが創り出した世界感は海外の人たちが共感できるものであったし、だからこそ日本のアニメは特別な存在としてスポンジに水が入るように世界に広がっていった。
「これまで自分の作品作りに海外を意識したことはありませんでした。今後、その作り方を変えるつもりはありませんが、海外の人たちが熱心に観てくれているという事実は意識せざるをえないと思います。海外での人気は聞いてはいましたが、実際に行ってみてそのことを改めて体感しました」

▲会場での神山健治監督。下のフロアは人また人の状況だ。
帰国後、若いクリエイターたちに、どんなことを伝えたいか聞いてみた。
「彼らは、海外だけでなく、国内に対しても、自分が関わった作品がどのように受けいれられているか知りません。コミケやニコ動などで作品を自分たちの好きなようにして遊ぶファンたちに作り手側がいまひとつついていけておらず、内にこもった作り方をしてしまう。ファンにこびるわけではないですが、どういう形で受け入れられているかをもっと知るように努力し、そのなかでオリジナリティあるものをどう作るかを彼らと一緒に考えていきたいですね」 次週に続く。
「『東のエデン』というタイトルをファンもディストリビューターも日本語で言ってくれたことはその表れでしょう」
「アニメーションは子どもが観るもの」という世界の常識にとらわれず、映像としての可能性を追い続けたアニメ業界のクリエイターたちは、アメリカの映画産業と異なり、世界市場を明確に意識した作品作りをしてきたわけではない。だが、彼らが創り出した世界感は海外の人たちが共感できるものであったし、だからこそ日本のアニメは特別な存在としてスポンジに水が入るように世界に広がっていった。
「これまで自分の作品作りに海外を意識したことはありませんでした。今後、その作り方を変えるつもりはありませんが、海外の人たちが熱心に観てくれているという事実は意識せざるをえないと思います。海外での人気は聞いてはいましたが、実際に行ってみてそのことを改めて体感しました」

帰国後、若いクリエイターたちに、どんなことを伝えたいか聞いてみた。
「彼らは、海外だけでなく、国内に対しても、自分が関わった作品がどのように受けいれられているか知りません。コミケやニコ動などで作品を自分たちの好きなようにして遊ぶファンたちに作り手側がいまひとつついていけておらず、内にこもった作り方をしてしまう。ファンにこびるわけではないですが、どういう形で受け入れられているかをもっと知るように努力し、そのなかでオリジナリティあるものをどう作るかを彼らと一緒に考えていきたいですね」 次週に続く。
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※次回は、バルセロナ「サロン・デル・マンガ」への神山健治監督との旅。後編へ。
※次回は、バルセロナ「サロン・デル・マンガ」への神山健治監督との旅。後編へ。
執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール

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