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第16回 神志那弘志 ~ 素敵なアイドル道 ~

最初にこの目で見たアイドルは、3センチだった。
初冬なのに凍えそうだった。熊本市民会館前で初めて徹夜をして買ったコンサートチケットだったからよく覚えている。1977年の1月。4年間待ち焦がれたそのアイドルのコンサートを初めて見たのは、中学2年生の時だった。
そのアイドルの名は【桜田淳子】。
後方の座席から見る【淳子】は高貴なオーラを放ち、眩しすぎてハッキリと見えない。目の前にいるその【エンジェル】をそっと親指と人差し指で計ってみた…。私が初めて目の前で見たアイドルは、3センチ程だった。
エンジェルハットに白いハイソックス。見る者のハートを貫く愛くるしい瞳の【桜田淳子】が、私が「アイドル道」のスタートを切った最初のアイドルだった。当時は山口百恵、森昌子と合わせて「花の中3トリオ」と呼ばれたトップアイドル。毎日テレビ欄をチェックし、毎月「明星」と「平凡」を楽しみに待ち、新曲が出るのを心待ちにしレコード屋に走った。グリコのコメッコは何箱食べただろう。その為に新聞配達もした中学、高校時代だった。
何かと比較された山口百恵さんがステージにマイクを置いて芸能界を引退したのと同時期に【淳子】は女優の道へ。世代は松田聖子さんの時代に移った。私もその頃、アニメーターとして上京した。
ガムシャラにアニメを描いていた1985年、少年マガジンのグラビアページに目を奪われる。顎のホクロがチャーミングな【南野陽子】である。当時は「おニャン子クラブ」が人気で、アイドルが「隣のお姉さんやクラスの同級生」的な時代の走りとなった頃だ。「ハイスクール!奇面組」の仕事もしていたし「うしろゆびさされ組」も可愛かったが、でも私は『おまんら、許さんぜよ!』に心奪われた。
当時、劇場版「北斗の拳」の仕事をしていた私は、東映動画の駐車場ではなくワザと東映の駐車場に車を止めて通った。「スケバン刑事の麻宮サキにすれ違えるかも」と淡い期待をしたからだ。でも藤岡弘、さんとすれ違っても【麻宮サキ】にすれ違うことは無かった…。

▲3センチの桜田淳子と限定版のレコード、南野陽子のファンクラブ会員証。
そのアイドルの名は【桜田淳子】。
後方の座席から見る【淳子】は高貴なオーラを放ち、眩しすぎてハッキリと見えない。目の前にいるその【エンジェル】をそっと親指と人差し指で計ってみた…。私が初めて目の前で見たアイドルは、3センチ程だった。
エンジェルハットに白いハイソックス。見る者のハートを貫く愛くるしい瞳の【桜田淳子】が、私が「アイドル道」のスタートを切った最初のアイドルだった。当時は山口百恵、森昌子と合わせて「花の中3トリオ」と呼ばれたトップアイドル。毎日テレビ欄をチェックし、毎月「明星」と「平凡」を楽しみに待ち、新曲が出るのを心待ちにしレコード屋に走った。グリコのコメッコは何箱食べただろう。その為に新聞配達もした中学、高校時代だった。
何かと比較された山口百恵さんがステージにマイクを置いて芸能界を引退したのと同時期に【淳子】は女優の道へ。世代は松田聖子さんの時代に移った。私もその頃、アニメーターとして上京した。
ガムシャラにアニメを描いていた1985年、少年マガジンのグラビアページに目を奪われる。顎のホクロがチャーミングな【南野陽子】である。当時は「おニャン子クラブ」が人気で、アイドルが「隣のお姉さんやクラスの同級生」的な時代の走りとなった頃だ。「ハイスクール!奇面組」の仕事もしていたし「うしろゆびさされ組」も可愛かったが、でも私は『おまんら、許さんぜよ!』に心奪われた。
当時、劇場版「北斗の拳」の仕事をしていた私は、東映動画の駐車場ではなくワザと東映の駐車場に車を止めて通った。「スケバン刑事の麻宮サキにすれ違えるかも」と淡い期待をしたからだ。でも藤岡弘、さんとすれ違っても【麻宮サキ】にすれ違うことは無かった…。

【アイドル】に憧れを持つことはない。
多くのハロプロ大好きな女性ファンは「憧れる」と言うし、実際にそこからアイドルになった人も多い。そこが「アイドル好き」においての男女の違いだと私は思っている。
私は【南野陽子】の後、女性アイドルから離れた。次に惹かれたアイドルは、F1ドライバー【アイルトン・セナ】だった。
1988年~1991年、毎年鈴鹿サーキットに足を運んだ。写真集も買った。同人誌も買った。200通もの応募ハガキを出して鈴鹿サーキットのパドックパスも当てた。そして【彼】に会えた。至福のひとときだった。彼の「人間としての弱さとドライバーとしての強さ」を併せ持つキャラクターに惹かれた。でも同性だけど憧れることは無かった。
アイドルは人間だけでは無い。
私の場合、キャラクター性が強ければ「アイドル」は動物にも至る。【アイルトン・セナ】の人気が最高潮の1991年、一頭のサラブレッドが日本ダービーを制する。【トウカイテイオー】だ。
【テイオー】は他のどの競走馬とも違って見えた。立ち姿は気品に満ち溢れ、遠くを見る眼のその表情はもはや馬では無い。私には【彼】が人格を持って見えた。それほどカッコよかった。
歩きはダンスを踊っているかのごとく軽やかで、その走法は四肢をいっぱいに伸ばし跳んでいるかの様だった。ある騎手は「他の馬がカローラの乗り心地ならテイオーはベンツだ」と言ったらしい。三度の骨折を克服し、一年ぶりの有馬記念で優勝すると言うドラマ性も持っていた。引退後も【彼】を追いかけてサラブレッドクラブに入会する。【テイオー】がいなかったら「三冠馬・オルフェーヴル」を一口持つ事も無かった。私は【彼】のおかげで大きな夢の様な出来事に出会えたのだ。

▲アイルトン・セナとトウカイテイオー。
1998年、モーニング娘。がメジャーデビューして以降【飯田圭織、石川梨華、松浦亜弥、菅谷梨沙子、中島早貴、…とハロー!プロジェクトに惹かれ、2016年現在は【カントリー・ガールズ】を箱推ししている。4年待って漸くコンサートに行けた40年前に比べれば、ライブやイベントなど週に一度はアイドルに会える素晴らしい時代になった。目の前のアイドルが3センチどころか全身が視界に入りきらない握手会だってある。
でも (オヤジの戯言だと思うだろうが) 本来は、アイドルは手が届かない方がイイ。手が届かないのがアイドルだ。
このコラムを書くにあたって【桜田淳子】のレコードを引っ張り出した。プレーヤーは無いが歌詞を見るだけでイントロが流れ自然と口ずさめる。楽しい!嬉しい!私はなんて素晴らしい青春を送ってきたのだろうか。そしてこれからも素敵なアイドル道を続けて行きたい。
『アイドル万歳!!』
多くのハロプロ大好きな女性ファンは「憧れる」と言うし、実際にそこからアイドルになった人も多い。そこが「アイドル好き」においての男女の違いだと私は思っている。
私は【南野陽子】の後、女性アイドルから離れた。次に惹かれたアイドルは、F1ドライバー【アイルトン・セナ】だった。
1988年~1991年、毎年鈴鹿サーキットに足を運んだ。写真集も買った。同人誌も買った。200通もの応募ハガキを出して鈴鹿サーキットのパドックパスも当てた。そして【彼】に会えた。至福のひとときだった。彼の「人間としての弱さとドライバーとしての強さ」を併せ持つキャラクターに惹かれた。でも同性だけど憧れることは無かった。
アイドルは人間だけでは無い。
私の場合、キャラクター性が強ければ「アイドル」は動物にも至る。【アイルトン・セナ】の人気が最高潮の1991年、一頭のサラブレッドが日本ダービーを制する。【トウカイテイオー】だ。
【テイオー】は他のどの競走馬とも違って見えた。立ち姿は気品に満ち溢れ、遠くを見る眼のその表情はもはや馬では無い。私には【彼】が人格を持って見えた。それほどカッコよかった。
歩きはダンスを踊っているかのごとく軽やかで、その走法は四肢をいっぱいに伸ばし跳んでいるかの様だった。ある騎手は「他の馬がカローラの乗り心地ならテイオーはベンツだ」と言ったらしい。三度の骨折を克服し、一年ぶりの有馬記念で優勝すると言うドラマ性も持っていた。引退後も【彼】を追いかけてサラブレッドクラブに入会する。【テイオー】がいなかったら「三冠馬・オルフェーヴル」を一口持つ事も無かった。私は【彼】のおかげで大きな夢の様な出来事に出会えたのだ。

1998年、モーニング娘。がメジャーデビューして以降【飯田圭織、石川梨華、松浦亜弥、菅谷梨沙子、中島早貴、…とハロー!プロジェクトに惹かれ、2016年現在は【カントリー・ガールズ】を箱推ししている。4年待って漸くコンサートに行けた40年前に比べれば、ライブやイベントなど週に一度はアイドルに会える素晴らしい時代になった。目の前のアイドルが3センチどころか全身が視界に入りきらない握手会だってある。
でも (オヤジの戯言だと思うだろうが) 本来は、アイドルは手が届かない方がイイ。手が届かないのがアイドルだ。
このコラムを書くにあたって【桜田淳子】のレコードを引っ張り出した。プレーヤーは無いが歌詞を見るだけでイントロが流れ自然と口ずさめる。楽しい!嬉しい!私はなんて素晴らしい青春を送ってきたのだろうか。そしてこれからも素敵なアイドル道を続けて行きたい。
『アイドル万歳!!』
PROFILE

アニメクリエイター集団(株)スタジオ・ライブ代表取締役兼アニメクリエイター。
主な作品『HUNTER×HUNTER(監督)』『牙-KIBA-(監督)』『冒険遊記プラスターワールド(キャラクターデザイン)』
『シティーハンター’91(キャラクターデザイン、総作画監督)』etc
2017年1月放送予定アニメ『アイドル事変』は弊社スタッフ中心で制作中!
・Twitter: @hiroshikoujina
・ニコニコ動画: http://ch.nicovideo.jp/stlive
PRESENT!
アジアンビート読者の皆さんの中から「神志那 弘志さんのサイン入り色紙」(1名)と「スタジオ・ライブ発行 40周年記念本&記念ファイル」(1名)を計2名様にプレゼントします!
沢山のご応募、お待ちしています!
●プレゼント応募期間 2016年10月28日(金)~2016年11月27日(日)
●プレゼント当選者発表 2016年11月30日(水)
※プレゼントの応募受付は終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
当選者はコチラの方々!
神志那 弘志さんのサイン入り色紙当選者
ヒナ さん
スタジオ・ライブ発行 40周年記念本&記念ファイル当選者
ぺんはち さん
おめでとうございます!!
(※プレゼント当選者には、アジアンビートから直接メールが届きます。)


沢山のご応募、お待ちしています!
●プレゼント応募期間 2016年10月28日(金)~2016年11月27日(日)
●プレゼント当選者発表 2016年11月30日(水)
※プレゼントの応募受付は終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
当選者はコチラの方々!
神志那 弘志さんのサイン入り色紙当選者
ヒナ さん
スタジオ・ライブ発行 40周年記念本&記念ファイル当選者
ぺんはち さん
おめでとうございます!!
(※プレゼント当選者には、アジアンビートから直接メールが届きます。)


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