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櫻井孝昌(Takamasa Sakurai) のJAPAN! JAPAN! JAPAN!

【櫻井孝昌のJAPAN! JAPAN! JAPAN!】第85回 櫻井孝昌&上坂すみれ新春対談②~海外の日本ブームはマイナーなの?ニッチなの?

モスクワJ-FEST出演を終えた声優の上坂すみれと筆者。文化外交活動をライフワークのひとつに考える二人が、向かうべき道に関して語り合った対談の2週目。
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▲モスクワ。赤の広場
櫻井「それにしても、どうしてJ-FESTに集まったみなもそうだけど、あそこまで日本を好きでいてくれるのかなあって、すみれは思わない?」

上坂「思います、思います。きっと日本があまりにも違うからではないでしょうか。私がロシアを好きな理由も、いろいろな点で日本とまったく異なっていることも大きいです。国の広さも文化も。でもどこかで同じ人間として通じるものもあって、そんななかで違うというのがいいのだと思います。日本の文化だって、お弁当でも制服でも、ランチボックスとか軍服とかは海外にもあるけど、そういうんじゃない。新しい未知の離れ小島の文化のようなおもしろさが、日本のものにはあるんだ思います。日本人は当たり前すぎて、そのユニークさに気づいていないと思います」

櫻井「日本のなかだって多少違うところに旅行とかでも行こうとするわけで、違うということの魅力に、国単位でも積極的になじんでみるべきだと思う。風景だけでなく、習慣も文化も」

上坂「ドーハもモスクワも、なにもかも違いますけど、とにかく居心地がよくて、帰りたくなかったです」
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▲赤の広場。本連載にも登場したことがある、日本大好きロシアっ子と。
櫻井「アニメでいえば、日本のクリエイターがアニメを、意志を持って真摯に作っていることも大きいと思うな」

上坂「作品に愛がありますよね」

櫻井「そうだよね。以前、毎日の仕事がつまらなくならなければ、いい料理は出せないみたいな話をどこかの料理人さんが言っているのを聞いたか読んだことがある。完成されたものを、完成された手順で、毎日やることが最善であるという意味だと思うんだ。職人の技って、まさにそういうものだよね。もちろん新しいものを求める気持ちも、もう片方で重要なんだけど、ひとつひとつ丁寧にものを作っていく日本人の精神を忘れてはいけない。意志ある作品を真摯にていねいに作る。これってまさに、日本人のものづくりに対する『匠』の精神そのものだよね」

上坂「たとえば、意志なく色を塗っている人はアニメのクリエイターにはひとりもいないです」

櫻井「なぜその色かとか、なぜその動きかとかに、日本のアニメには重要な意味があるからね」
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▲街頭パン屋さんをのぞく。

海外の日本熱はマイナー?

櫻井「日本がロシアやカタールで人気といっても、それは一部でしょ。マイナーでニッチな人たちなんじゃないと言われることがときどきあるんだ。もちろん莫大な数でないことはそこに行っているオレたちがいちばんわかっている。でもゼロではないんだよ。そして、日本人が想像しているよりはるかに多くの人たちが日本を好きでいてくれる。

日本好きは日本の悪口をけっして言わないのが、またすごい。SNSなどで、とにかく日本や日本文化のいいところを見つけてくれて、いつも発信してくれている。そういう人が100万人、1000万人いないと何もしないんですか?と逆に日本ファンはニッチとかマイナーと言う人に聞いてみたいなとも思う」

上坂「ニッチとかマイナーっていうのは、人間を大きな器に入れて点として数えたときの話じゃないですか。でも、実際にイベントをするときって、来てくださったたくさんのみなさんを点には見えません。J-FESTだって2万人近くの人が会場に来てくださるわけです。それはけっしてニッチと切り捨てられることではないと思います」
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▲カワイイ!標識
櫻井「話が少しそれるけど、ビートルズだって小さなライブハウスから始めてるわけだよ。その段階で、いやあ彼ら人気ないよって終わらてしまうのと同じだよね」

上坂「出た芽をつぶすようなことはナンセンスだと思います」

櫻井「カタールやロシアでの文化外交活動もそうだったけど、これがいいと思ったら、好きと思ったら、オレたちはやるしかないよね」

上坂「はい!」

櫻井「結局は、可能性をどう見るかという問題だと思うんだ。世界はあまりにも違うし、本当に世界が理解しあえる日は来るんだろうかと絶望的な気分になることもあるけど、それでも世界を周っていられるのは、日本を愛してやまない世界の人たちがオレの背中を押してくれているから。オレたちも、彼らのように「好きなものは好き!」とちゃんと叫ばないとね」

上坂「好き!と叫びます」
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▲筆者5年めのモスクワで雪がないのは初めて。

『進撃の巨人』の世界的ブーム

櫻井「2013年世界をいろいろ周って、もっとも象徴的だったことは、『進撃の巨人』の大ブーム。わかりやすいところで言えば、世界のどのイベントに行っても、立体起動装置を付けた『進撃の巨人』のコスプレイヤーだらけ。これだけひとつのアニメに世界中が夢中になっているのは、『鋼の錬金術師』以来じゃないかなあ。なぜ、『進撃の巨人』はあんなに世界に届いたんだと思う?」

上坂「こういうキャラクターがウケるありきじゃなく、単純に物語として、普遍的なお話じゃないですか。世界名作劇場的な。誰にでも通じる物語で、しかもすごい迫力があって、しかも日本の昔の特撮みたいな独特な日本感もある。そのアタリが世界共通にはまったんでしょうか」

櫻井「動きも含め、まさにアニメらしいアニメだよね。こういう作品が出てくることって、日本にとってもすごく大事だと思う。日本に関する世界の共通語がまたひとつ増えたわけだしね」

3週連続、上坂すみれと筆者(櫻井)の対談は次週3回目に。
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▲モスクワJ-FEST。『進撃の巨人』のコスプレイヤー
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執筆者:櫻井孝昌氏プロフィール 

櫻井孝昌.jpg作家、ジャーナリスト、事業企画・イベントプロデュース等の仕事とならび、世界25カ国延べ120都市以上で講演やイベント企画、ファッションショーといった「ポップカルチャー文化外交」活動を実施中。外務省委嘱のカワイイ大使プロデューサー、アニメ文化外交に関する有識者会議委員等も歴任。著書(発売順)に『アニメ文化外交』(ちくま新書)『世界カワイイ革命』(PHP新書)『日本はアニメで再興する』(アスキー新書)『ガラパゴス化のススメ』(講談社)『「捨てる」で仕事はうまくいく』(ダイヤモンド社)がある。
ツイッターでも海外情報発信中 http://twitter.com/sakuraitakamasa/
毎週水曜日更新!
※次回は、上坂すみれと筆者(櫻井)の3週連続新春対談のラスト。

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