総力取材 「博多献上PORTERのすべて」 ~最終章

作り手の意識を変え、使う側の意識を変える、博多献上PORTER
博多織を、文化を、若い人たちにもっと認知してもらい、それを世界に発信していくには?
その答えの一つが「博多献上PORTER」である。
世界に愛用者がいる「吉田カバン」のネームバリューに便乗したい。
スタート時には、そんな気分がたしかにあった。
だがプロジェクトが進行するにつれ、博多織の伝統に裏打ちされたモダン、西村織物の技術力や製品のクオリティの高さ、を実感していくことになる。
正直にいえば、それに気付かされたのは、すべて吉田カバンを通じてであったかもしれない。
長谷川さん、桑畑さんらが工場を訪れたときのリアクション。さらに、試作品を見た織元の感動…。
クリエイターがカバンという形にすると、普段はなじみでもない私たちでも博多織の奥深さの一端をのぞくことができる。
その答えの一つが「博多献上PORTER」である。
世界に愛用者がいる「吉田カバン」のネームバリューに便乗したい。
スタート時には、そんな気分がたしかにあった。
だがプロジェクトが進行するにつれ、博多織の伝統に裏打ちされたモダン、西村織物の技術力や製品のクオリティの高さ、を実感していくことになる。
正直にいえば、それに気付かされたのは、すべて吉田カバンを通じてであったかもしれない。
長谷川さん、桑畑さんらが工場を訪れたときのリアクション。さらに、試作品を見た織元の感動…。
クリエイターがカバンという形にすると、普段はなじみでもない私たちでも博多織の奥深さの一端をのぞくことができる。
博多の粋をまとったPORTER
『博多織をステルス的に、カバン本体に取り込んだ。』
そうカバンのクリエイターは表現した。
色はクールなブラックと、シャイニーなホワイトの2色。
前者は、吉田カバン初の自社ブランドとして1962年に発足された「PORTER」、
後者は吉田カバン初の女性ライン「PORTER GIRL」の別注モデルという位置づけになる。
「博多織をカバンに。」という場合には、どうしても外側のマテリアルとして全面に使うことを想像してしまう。
が、メイン部分ではない、カバンのフタ(フラップ)の部分が博多織。
記号紋様をデザインとして活かし、なおかつカバンの「機能」として博多献上を縫い込んだのだ。西村織物では取材中「博多織、博多帯は、着用してこそ良さが分かる。着用してこそ意味がある」というようなお話をされた。
フタをした博多献上PORTERを見ると、まさに博多帯を締めているように見える。絹鳴りの音が聞こえてきそうだ。
博多織は、絹の光沢と風合いが美しい。だけでなく、緻密で繊細に織られていてハードに使える織物でもある。
ブラックのメイン素材は、防弾チョッキにも使われるほどの強度を誇るバリスティックナイロン。鈍く光るナイロンと黒献上が一体化。
そうカバンのクリエイターは表現した。
色はクールなブラックと、シャイニーなホワイトの2色。
前者は、吉田カバン初の自社ブランドとして1962年に発足された「PORTER」、
後者は吉田カバン初の女性ライン「PORTER GIRL」の別注モデルという位置づけになる。

が、メイン部分ではない、カバンのフタ(フラップ)の部分が博多織。
記号紋様をデザインとして活かし、なおかつカバンの「機能」として博多献上を縫い込んだのだ。西村織物では取材中「博多織、博多帯は、着用してこそ良さが分かる。着用してこそ意味がある」というようなお話をされた。
フタをした博多献上PORTERを見ると、まさに博多帯を締めているように見える。絹鳴りの音が聞こえてきそうだ。
博多織は、絹の光沢と風合いが美しい。だけでなく、緻密で繊細に織られていてハードに使える織物でもある。
ブラックのメイン素材は、防弾チョッキにも使われるほどの強度を誇るバリスティックナイロン。鈍く光るナイロンと黒献上が一体化。

たおやかな印象だが、このナイロンは超撥水加工が施され、水にも汚れにも耐性がある。
丈夫な博多献上も、最新技術で撥水加工されていて、強力な使い倒せるカバンに仕上がった。
それぞれのネームタグも、博多献上をモチーフにした特別版。
それぞれ限定100個でシリアルナンバーがつく。カバン好き、博多織好きなら、酒の肴になりそうなカバンだ。
「遠くから見たら、無表情なカバンで、近くで見たら博多献上柄が見える。そんな面白さを表現したかった。だからシルクの織物に相反するようなテクニカル素材をつけたら、新しく見せることができた」(桑畑さん)。
中途半端では、若い人には届かない。西村織物の博多織を使って、吉田カバンによるカバンを作ったことが、結局は双方を際立たせた。
伝統が風化していくのはユーザーのセンスの風化

「日本の伝統的なものはどうしても高いものになってしまう。若い人に触れる機会を作るとともに、外国の富裕層に届くようなアプローチも必要ではないか。技術を守ることだけでなく、見せ方一つでいかようにも良くできるのが、長く続いているものの強みだと思う」
このプロジェクトは、カバンが完成したことで、いったんは終わりを告げた。
だが、吉田カバンと西村織物、両者のモノづくり魂は、まだまだ熱を保ち続けている。
長谷川さんと桑畑さんが、西村織物を訪ねたときのことだ。
「織り上げた生地を、特殊な作業で柄を浮き上げさせる」、そんな生地のまさに柄が浮かび上がる瞬間を目の当たりにした。
特に桑畑さんは「過去何年か見た材料で、あれほどのインパクトあるものはなかったなぁ。まんま、あの生地を使いたい」とこの生地にご執心のよう。

「私たちの生地や技術を使って、吉田カバンさんと何かできんかいな?」という言葉も、アジアンビートに届いてくる。
こんなにも語れる素材が、身近で長い間作られてきたこと。
それがとてもモダンであること。
博多織の760年余の厳かな伝統も大切にしたいが、センスがあれば、軽々と日常に取り入れることもできる。
作り手の意識だけではなく、受け手の意識が変われば、伝統はイキイキと受け継がれていく。
伝統が風化していくのは、担い手の不足や時代の変化のせいばかりではなく、ユーザーのセンスが風化している証拠なのかもしれない。
博多献上PORTERを購入したら、いつも持ち歩き、カバンの声に耳を傾けて、周りの人に語り続ける「語り部」になってほしい。
使い続けることで、ボクたちは伝統の継承に一役買えるのだから。
伝統が風化していくのは、担い手の不足や時代の変化のせいばかりではなく、ユーザーのセンスが風化している証拠なのかもしれない。
博多献上PORTERを購入したら、いつも持ち歩き、カバンの声に耳を傾けて、周りの人に語り続ける「語り部」になってほしい。
使い続けることで、ボクたちは伝統の継承に一役買えるのだから。

1964年生まれ。
1984年株式会社吉田入社。
企画本部最年長のキャリアをもち、現場のリーダーとして若手デザイナーを率いている。定番品に加えて、アパレルブランドとのコラボレーションアイテムを手がけることも多し。

1968年生まれ。
1989年株式会社吉田入社。
現在は企画本部、国際部をまとめ、さまざまな企業やブランドとのコラボレーションアイテムも多く手がける。








博多献上PORTER

カラー:ブラック
サイズ:横400×縦280×奥行き140(mm)
素材:バリスターナイロン
付属:博多織
価格:20,000円(税込) ※本商品は完売しました。
PORTER×伝統の博多献上による最高にクールなトートバッグが完成!
※100個限定、001~100までのシリアルナンバー入!
素材として使われたのは、耐熱・耐摩擦・引裂き強度に優れ、防弾チョッキにも使用されるバリスターナイロン。カラーは博多献上柄の黒と白の美しさをさらに引き立たせる深いブラック。また、底鋲がついているためカバンが自立し、汚れもつきにくい!通勤や通学はもちろん、小旅行にも活躍しそう。外側の両サイドには携帯電話などを入れられる深めのポケット、内側にはポケットが3つ!(そのうち1つがファスナーポケット)ペン挿しも3箇所あって収納力抜群です。

カラー:ホワイト
サイズ:横320×縦230×奥行き130(mm)
素材:ナイロン(綿ボンディング加工)
付属:博多織
価格:15,000円(税込) ※本商品は完売しました。
2009年に誕生したPORTER発の新ラインPORTER GIRLとの初めてのコラボレーションバッグ!
※100個限定、001~100までのシリアルナンバー入!
素材として使われたのは、ボンディング加工した柔らかなナイロン。ナイロンの内側に綿が入っているのでコロンとした可愛いらしいフォルムで、とっても軽量、そしてやわらかな質感。生地は汚れにくい超撥水素材!博多織の生地はホワイト地にピンクの柄入りで、とてもキュート。外側の両サイドには携帯電話などを入れられる深めのポケット、内側にはポケットが3つ!(そのうち1つがファスナーポケット)ペン挿しも3箇所あって収納力抜群です。